相良むつみの、子どもとママの心理学

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事例 1


私の住む街は学園都市である。

いくつもの学園があるが、その中の一つの
中学校に上がろうか、外に行こうか、迷う子供が多い事に気付き始めた。





・ 1回目の面接

昨年のある秋の日に、ママさんから電話が来た。

そのママさんは銀行に勤務している。

11歳の女の子を、連れて来た。

初めにママと向かい概略を聞き、娘さんと
カーテン療法をする事を選ぶ。

ママには、子供側から見て見えない方向にいてもらい、声が聴こえる程度の距離を置く。

子供は知らない。

ママは側にいないから、本当の事を話してね。

「今の学校は嫌い?」

「う〜〜ん、だつてね、OOちゃんがいじめるし、行きたくないけど、でもねムニャムニャ・・・」

「そのOOちゃんは家が近いの?」

「う〜ん近いけど〜、蹴られると私も喧嘩になるの。」

「どちらが勝の?」


「あのね・・・私ね・・・

本当は違う中学校に行きたいのね。

お姉ちゃんが東京の有名女子大に行き、

ママが、『あんたは勉強が出来ないから駄目なの』 といつも言われるのねムジュムジュ・・・」

「じゃあ、あなたはママから比べれるのが嫌いなんだ。」

「そうそう、私ね、公立で有名な偏差値の高い、東京都内から来る、その学校に行きたいの、

でもそうすると、今の学校の友達が、其処の学校に行くと、

今の中学を 単位が足りなくて 行けなかつたんだと言うと思うからムニャムニャ・・・」

・ 2回目の面接
 このクライエントは市川市ではありません。
「先生、あのね、公立に受かりました、だけどね、今の学校の友達が・・・」

私「学校の友達がどうしたの?」

「なんか言われそうでモジモジ・・・」

「じゃあ明日、
学校に行き 休み時間に私の顔を思い出して、大きな声で、

『みんな〜、私ね□□校に合格したよ。』 と言える?」

「う〜ん、OOちゃんが、OOちゃんが・・・」 を繰り返した。




翌日電話が来た。

娘さんから、
「私ね、言えたの。 この学校で、出来ない出来ないといじめられるより、勇気を出しました。」

「よかつたね。」

「そうしたら皆が、『あそこは偏差値が高いのに羨ましい。』 と言われて、

人気が出て、手をつないで、遊んでいます。」 の電話で、

瞬間内観をした。


5分、ママに対しての内観です。

「う〜ん、ママは私の事を心配して、お姉ちゃんと比べたんですね。

それが嫌いで、家では 外に出る事はなかつたけど、お姉ちゃんとも遊ぶようになつた。」と話した。


ママは私に、 

「あんなに繊細な娘だと思いませんでした。

聴きながら自分が恥ずかしくなりました。」 と反省をしていた。

完璧な母親はいない。

スキルのあるお子さんでよかつた。

来年は高校受験だそうです。

悩むなよ。

笑われてもいいから自分の考えを出せ♪